アトピー持ちにとって、一番の敵はやはりその痒みでしょう。
しかし、その痒みが治まってきた後悩まされるのが、痒疹の跡や色素沈着による斑紋のアトピー跡がなかなか消えず、人の目が気になって悩まされることになります。
私も痒疹ができてしまいとても苦労しました。
そんな痒疹完治のための治療方法とその体験談を書きましょう。
痒疹の原因
痒疹とは、痒みによりボコボコと盛り上がった大きなイボが硬く盛り上がってしまう症状を言います。
痒疹は局所的な炎症のため、ボコボコとその周辺に強い痒みが出て、掻けば掻くほど、そのボコボコは増え、掻き壊し、それが瘡蓋になってを繰り返し、最後は固いイポのようになってしまうものです。
掻き壊して皮膚が盛り上がったまま硬く黒くなるのが、一般的な痒疹の症状です。
原因として言われているのが、虫刺されなどの外的な刺激とアレルギーやヒスタミン物質の分泌による内的な刺激と言われています。
アトピーの痒疹も、ダニなどの虫刺されの外的刺激とアレルギーやヒスタミンなどの内的な刺激の場合がほんとんどです。
アトピーは調子がいい時期と具合が悪い時期を繰り返してしますのが特徴ですが、私の場合、痒疹のもととなるボコボコが出て、強い痒みが出てくると調子が悪い時期に突入するサインのように感じています。
多分、私の場合、かゆみ物質であるヒスタミンが体に溜まってくると痒疹のボコボコが出てきて、掻いて肌の調子がどんどん悪くなるといったサイクルなのでしょう。
痒疹の治療方法
原因でも書いた通り、痒疹とは局所的に強く出ている炎症なので、その治療はまず炎症を抑えることから始めます。
痒疹は、痒みでボコボコになる⇒赤くなったところを掻いて掻き壊す⇒瘡蓋(かさぶた)ができる⇒瘡蓋が自然に取れる前に掻き壊す⇒皮膚が盛り上がってまま硬く黒くなる
こういったサイクルのため、治療が長引けば長引くほど、症状は悪くなってしまいます。
そのため、痒疹治療において一番大切なことは、スピードと言えるでしょう。
炎症が出て皮膚がボコボコしてきたら、強めのステロイドで短期間で一気に治してしまうのが一番です。
とはいえ、初期症状で一気に治してしまうことが出来ない場合もあります。
下記のように、治療は複数あるので、その状況に合わせた治療方法を選択するのがおすすめです。
- ステロイド治療
- ステロイド治療とは、文字通り炎症が出てボコボコっと盛り上がった部分にステロイドをつけて治します。炎症と痒みが強い場合に有効と言えます。ポイントはステイロイドは怖いからと弱いステロイドを長々と使ってしまうと治療が長引いてしまい、結局痒疹になってしまう可能性があるので、早期に強めのステロイドで一気に治し、痒みが引いたらすぐ非ステロイドの軟膏に切り替えること。ステロイド=悪ではなく、ステロイドの使い方が間違っているのだと知ってほしいです。
- 密封療法
- ボコボコが出来始めたばかりなら、ステロイド治療で炎症を抑えることができます。しかし、すでにボコボコが硬くなって痒疹になってしまった場合は、密封療法が有効です。密封療法とはステロイドなどの軟膏を塗った後、「亜鉛華軟膏シート」で患部を覆って痒疹を治療するもの、もしくはシート自体にステロイド剤が染み込んだステロイドシートを患部に貼って痒疹を徐々に軟ならくしてその跡を消していくものです。密封療法のいいところは、弱いステロイドでも高い効果が得られるところにありますが、毎日ステロイドシートを張り直さなくてはならないので、手間がかかってしまいところが難点ですね。
- 光線療法
- 光線治療は痒疹が体全体に広がってしまったような重症症状に使用します。
波長311nmに鋭いピークをもつ紫外線B波を照射するナローバンドUVB療法と光感作物質であるソラレンの内服または外用後に波長320nmから380nmの紫外線A波を照射するPUVA療法があります。
私の体験談
私の場合は、腕と足にボコボコの痒疹が出来てしまって、夏場に半袖や短パンなどを着る時は、人目が気になるような状態でした。
もちろん、薬は塗っていたのですが、弱いステロイドを毎日ダラダラと塗っていたのが良くなかったのだと知り、痒疹治療のため病院でステロイドシートを処方してもらい、密封療法で痒疹を治すことにしました。
痒疹を治すため、治療法を調べている時に知ったのですが、痒疹は脱ステ中に起こりやすいのだそうです。
つまり、まだ体が脱ステができるほど回復してないのだというサインでもあるそうで、もし長期的な視点でしっかり治していきたいのであれば、まず重傷箇所をステロイドで治してからでなくてはいけないのです。
私が実際に密封療法を行った期間は1ヶ月です。
なぜ1ヶ月かというと、新たに肌が出来上がるのにかかる期間が1ヶ月サイクルで行われるからです。
これをターンオーバーと呼ばれるらしいのですが、このターンオーバーを信じて、1ヶ月間は毎日ステロイドシートを切って、貼って、しっかり包帯でガードするということを続けました。
何事もそうですが、毎日なにか決まったことをするって大変なんですよね。
でも、1ヶ月後には新しい肌が出来上がるというターンオーバーを心の支えに頑張れました。
そして、1ヶ月後・・・
残念ながら、いきなり完治!というわけにはいかなかったですが、固く盛り上がったイボは瘡蓋(かさぶた)のように、「べリっ」と剥がれ、痒疹部分には黒い色素沈着が残った状態になりました。
黒い色素沈着が残ってしまっているので、人目から見たらまだまだ目立ってしまうのですが、このボコボコが無くなっただけでかなりうれしかったのを覚えています。
それに色素沈着は『肌潤ろーしょん』で消すことができるので、自分的には完治までの道筋が見えたも同然でしたね。
固くなった痒疹にはステロイドシートを使用した密封療法がおすすめです。
ステロイドシートの使用方法は過去記事にも書いていますので、参考にしてみてください。
個人的にはデトックスがとても大切だと感じてます。
アトピーの特徴に、皮膚の表面の機能不全と起こしているために起こる「汗をかきずらい」という症状があります。
アトピーは体の老廃物が皮膚に出ているとも言われており、普段から意識的に運動をしたり、半身浴などで意識的に汗を出すことを私自身意識してます。
ストレスが溜まったり、睡眠不足などで老廃物を体内に溜めることはアトピーを悪化させる一因であり痒疹のようにボコボコが出てくるのも、老廃物が溜まってるからなのかもしれません。
痒疹治療に限らず、アトピー患者にとってデトックスは日々行うべき大切なアトピー予防法といえるのではないでしょうか。