私は高校生の頃、サッカーの試合で肩の脱臼(正確には前方脱臼)をして以来、約15年ほど肩の脱臼癖と付き合っています。
脱臼癖があるということは、緩んだ肩が簡単に外れてしまうため、普段の生活でも気をつけないとすぐ外れてしまいます。
私の場合は、残念ながら脱臼癖がついてしまいましたが、脱臼癖がつく前に予防することは可能です!
筋トレで本当に予防できるか?
結論から言うと、いくら筋トレをして筋肉の鎧をまとったところで、一度ついた肩の脱臼癖は治りません。
脱臼癖がある有名なアスリートに大横綱・千代の富士(九重親方)がいらっしゃいますが、引退の一因に脱臼癖を克服できなかったことも多少なりとも含まれていると聞きます。
仮に敗れた関節包を鍛え上げられた筋肉で覆い脱臼しないほど固定するとしたら、あの大横綱以上の筋肉を付けなくてはいけないということになります。
いやいや、どう考えても一般人があのウルフ以上の筋肉の鎧をまとうことは不可能でしょう。
ということで、一番大切なことは、筋トレやリハビリではなく、まず脱臼癖をつけないこと!
そのためには受傷後2週間を、腕を固定してなにがなんでも絶対安静に過ごすことです。
そして、3週間後から、医師の指導のもと徐々にリハビリしていきましょう。
当たり前のことを書いてますが、この当たり前が本当に難しいんです。
骨折などであれば、骨が折れて痛いし、なにより動かないので、それを無理に動かそうとは思いません。
でも、脱臼は整復さえしてしまえば、少々痛みはありますが、動かせてしまいます。
動くものを動かすなというのは、日常生活においてなかなか難しいことです。
しかし、この2週間の過ごし方が、一生の関わってくるのだと肝に銘じて過ごしてほしいです。
脱臼癖を予防するポイントは受傷後2週間の過ごし方
肩関節脱臼の95%は前方脱臼というものです。
前方脱臼とは、肩関節脱臼の一種で、関節包という袋が破れることで、上腕骨がズレて逸脱してしまうものことをいいます。
そして、一般的に肩関節脱臼を「肩が外れるといいます。
反対に脱臼を治すことを「肩を入れる」なんて表現しますが、正確には「整復する」といいます。
肩の骨が整復できたからと言って、肩を覆っている関節包が破れたりや靭帯が傷ついたり、神経、血管を損傷してしまうことが予想され、その修復には2ヶ月ほどかかるのです。
この骨が無事にくっついた状態でも、肩のまわりの関節包や血管は傷ついているので、それを修復しなくてはいけません。
これを一定期間固定して修復していくわけなのですが、この期間に無理に肩を動かしてしまうとうまく修復できず、脱臼しやすくなってしまいます。
わたしが初めて脱臼したのが、高校生の時でした。
主治医の先生からは「2週間固定して、絶対に動かすな」と言われたのを覚えてます。
脱臼癖がつくのは嫌といっても、当時私は15歳のサッカー少年です。
脱臼した3日後には、部活に参加してましたね。
リハビリや筋トレはかなり頑張ったのですが、私に脱臼癖がついたのは、受傷後2週間を安静にできなかったことが原因でしょう。
「先生、ごめんなさい」
リハビリ・筋トレの正しい方法
2週間を安静に過ごしたら、3週間目からリハビリの開始です。
もし、脱臼癖がついたとしても完全に元通りに戻すことはできないにしても、筋トレなどで筋肉をつけることで以前より脱臼しずらくすることは可能なので、下記の動画を参考にしてみてください。
脱臼癖がついたら手術という手もある
私の場合、15年間脱臼癖とつきあってます。
いわば、脱臼のベテラン(?)なわけで、仮に肩が外れたとしても自分で整復することができます。
とは言え、なにか運動をするとすぐに外れてしまうのは嫌だし、ひどい時には寝返りやくしゃみで外れてしまうので、どうにかしたいなぁとは思ってます。
そこで、病院の先生に相談したところ、手術を進められました。
手術をしてから、日常生活で動けるようになるのに、6週間前後、軽めのスポーツはでは3ヶ月ほどでできるようになるそうです。
サッカーのような激しいスポーツは、接触を伴うので復帰に6ヶ月はかかるそうなので、メリットとデメリットでよく判断することをおすすめします。
まとめ
脱臼が癖になってしまうと、完全に治すには手術するしかありません。そのため、筋トレで脱臼癖を治すのではなく、脱臼癖がつかないようにすることが大切です。まずは、安静が1番大切。受傷後2週間は絶対肩を動かしてはいけません。そして3週間後から適切なリハビリをし、完治を目指しましょう。